2022/5/26 激突第三章スタッフトーク「CG」個人的メモ
登壇者のかた(敬称略):
高賀茂寛人〈ルックデベロップメントTD/リードアーティスト〉
荒幡和也〈ルックデヴ/VFX/3Dコンポジットリード〉
田中宏侍〈CGIプロデューサー〉
このトークショーはあのユリシーズのシーンの演出意図が聞けて、そこを最大限活かそうと苦心したCG演出の話が聞けたのに、真実ほろりと涙が出た。
ビフォーアフターがほんとにほんとに違いすぎて。爆煙のなかからのユリシーズ、ホントかっこよかった。
以下、Twitterより抜粋。
いつもは「「激突」第三章スタッフトーク」という画面なのに、今日は「激突」第三章スタッフトーク第二弾CG、というオリジナル画面。
OPにブリュンヒルトが翔けあがりスパルタニアン庫も出る特別な動画が。
「依頼してないのに!」とぐんじさん。めちゃめちゃかっこよかった!
「すごい映像をいっぱい作ってきてしまった…」と尺を心配するぐんじさんがMCでCGトーク。
トークテーマ①ガイエスブルク要塞
1期2期は、イゼルローンもレイアウト用ラフのみだったが、3期で要塞戦あるからとCGを新作。(クレールさんの時もそんなお話があったな)
球体前面に主砲、後背にエンジン。
エンジンは帝国戦艦のエンジンと同じ、既存のものを利用。
主砲、フィンがめり込まず広がるようにするのが難しかった。
設定描く時は動く事を考えないので、CGでちゃんと折りたためなかったりする。
めりこんでるので調節したり、破たんなく動かすのが難しい。
頭の中で考えつつ実際にも動かしながら、都合のいい形を決めていく。
原作にはガイエスブルクの主砲の名前がないので、傭兵が持ってる大型の剣のことであるツヴァイヘンダーをつけた。
羽根が広がっていく時どう干渉しあうか確認しつつ、作りながら枚数も調整した。
ぐんじさん「シャフト有能では?デザインセンスもある笑」
後ろの航行エンジンの中心部もディテールがある。
動きに応じてちらちら光が入り込んでる。
ちゃんとした構造を作ってあげると光の反射に影響する。
1枚テクスチャはって、立体感あるものにする。
トークテーマ②
戦艦、ヒューベリオン、リューベック
あらはたさん「(話、)自分で大丈夫です!」と力強い。
下地色塗りに、CGの情報をどれだけのせるか調整する、その調整によりノイエの戦艦の見た目になる。
作画(主線、色の塗り分け)が基本。
CGの素材を上からかぶせる。
間接光をかぶせる。
間接光はノイエ戦艦見た目のキモ。
きちんと3Dシミュレーションで反映する。これがあると見た目がしまる。
CGで中にライトをしこみ、光をもらすの難しい。
ノイエでできるようになった。
リューベックも、塗りの情報にCGで金属の質感やグラデーションや間接光をつける。
同盟のほうがパキパキ四角いので、影がありわかりやすい。
帝国は曲面多いので影がはっきりできにくく難しい。
グラデーションを細かくしすぎても画面をつぶすので、細かくしすぎずでもしっかり入れている。
ノイエはハイブリッドアニメなのでCGとそうでない画面の親和性も大事。
作画は影と影じゃないところのメリハリがはっきりしてる。CGはなめらか。
違いがありすぎると親和性がないので、CGをセルに寄せている。
ここ、ミュラー旗艦とテロップ入れました!と嬉しそうなぐんじさん。
かっこよかったです✨
トークテーマ③ワープ(31話)
まずはコンテ撮。設計図。どうしたいんだろう?を確認。
3Dモーション、3Dで動きをつける。
エフェクト仮のせ、OKもらって本撮。
ここはあらはたさんひとりで!
ワープは1期からあらはたさんひとり。
本当は、3Dと撮影は工程として分かれ、部署も違うことが多い。
でもそうするとイメージが伝わりづらくなるので、1人でやるのが理想。
とはいえなかなかできることではない。
でもここはあらはたさんひとりでやってるすごいところ。
ワープユニット、エネルギー補助装置。
最初は1枚の画像で背景美術に発注いくところ、美術だと負担が大きすぎる、恐ろしいことになるとあらはたさん自ら作成。
設定にない後ろのラッパ部分まで作った。一瞬、4カット20秒のシーン。
モデリング、ルック作って、たかかもさんに「壊してください」と依頼。
たかかもさんの二つ名は「壊すのが好き」。
モデルが上がってくると想定してなかったが、モデルがあるなら、じゃあ壊そう、と「壊させて頂きました笑」。
あらはたさん「壊して頂きました笑」。
壊すのは壊れる仕組みを作るところから。
モデルを要素ごとパーツごとに整理して、パーツごとに壊れ方決める。
今回のワープユニットは、太陽光パネルのような部品はすだれがバラけるように、ワイヤーは、ゆがんで崩壊するように。パーツになっていれば壊せる。
たかかもさんは、星乱で採掘惑星がぶつかって戦艦が壊れるシーンも担当。
通常は予算的にできないそう(!)。
破壊シミュレーションなんてやってくれない。
やらせようとするとお金がかかる。
やってみたい、やらせて下さいと言ってくれるからできる。
ワープもあらはたさんご自身からやりたい!と。
上からやらせるのだと、やるのに何人日かかるかなという話になりできない。
トークテーマ④
装甲擲弾兵(シェーンコップの最初の大暴れシーン。上からの俯瞰図もあり配置がわかりやすかった)。
全部CGでやる、という事になり、ロボのアクション作監き にアクションつけてもらいロボのラフ原を作った。
ラフ原は大雑把に描いた動きの絵。ここにモーションつけていく。
同盟の装甲服は動く仕組みをいれるのに足首めりこみやすく大変だった。
動きは可動部分がわかるモデルを使って、コントローラーにしてつける。
動きはシミュレーションでもモーションキャプチャー(役者さんにセンサー付けて動いてもらい動きをプログラムに流す)も使わず、手付、手作業でつけている。
モーションキャプチャー使うと、リアルな動きが大量にできるが、こういう時は動きがぬるぬるして生っぽさが出すぎてしまう。
物理的に正確すぎるとアニメとして不自然。
手前の手を大きめに描くとか、早く動いて欲しいところを強調するとかアニメはする。
実写とアニメの差。
(シェーンコップが斧振るいまくるシーンみて)
「こういう動き、俳優さんにお願いしても無理ですよね…」
トークテーマ⑤
通常撮影映像から。
ユリシーズが爆煙から姿をあらわすシーン。
シーンの意図の「爆煙から出てきて欲しい」を3Dで助長した。
・爆発に奥行出す
・爆発の質感調整
・戦艦の質感調整
最初は爆煙がその場にはりついてて平面で、雲のかげから出てくる感じだったのを、あらはたさんが爆発から作り直して、爆煙の中を通り抜ける感じに。
ユリシーズから尾をひく煙もつけた。
これを「普通にやってる基本です」と言われるあらはたさん。普通はやらないでしょ!というツッコミに「普通はやらないけど、ノイエはやったほうがいい」
先週は作画の撮影の話だったが、こういうCGの撮影はあらはたさんがされている。
銀英伝のCGやり初めて何年?楽になった?という話に、全然ラクにはならない、でも1期2期は本当に大変でよくなんとかなったなと思うが、その時作った資産が活きて余裕をもってやれた。
作り終えればやさしい目で見られる、という声に「まだあと10年ちょっとありますよ!」とやる気溢れる若きあらはたさん。
かかったお金回収しないと査問会にかけられてしまう…というぐんじさんに、「普通なら、終わらせろ、と言われるところ。
「ぐんじさんがいてくれるからチャレンジできた」と。
ぐんじさんとCGチームは同じビル同じフロアでふらっと行って会話できる。
その距離の近しさ、信頼感があるからできる。
トーク全体から、楽しい!やりたい!というはじける熱意と、1ミリでも近く理想そのものに仕上げようという姿勢が当たり前になっているところが感じられ、プロすごい!と思った。
さらりと当然のようにすごいことをするメルカッツのよう。
「獅子の泉」では、こんな素晴らしい面々の別撮りトークショー動画が見られますよ😊
2018/3/29 アニメ「銀河英雄伝説 Die Neue These」第1話先行上映会いってきました!
昔のデータを拾っての更新です(2022/10/29)
今振り返ると、1話で「あれ?出てこないぞ」のヤンが2話にでる興奮も、アッテンボロー(暫定)とかポプラン(暫定)とかも楽しすぎたな、とふふふと思ってしまいます。
山の手線ラリーも楽しかった、またやってくれないかな。
***
2018/3/29、アニメ「銀河英雄伝説 Die Neue These」第1話先行上映会にいってきました!
丸の内ピカデリーの前では彼らがお出迎え。
控えめに言っても大大大好物な身長差の双璧…!
うーんヒマラヤ山脈のような帝国将官のなかでミッターマイヤー可愛すぎ・・・
ネタバラシは控えてくださいね、と言われたけどどこまでだろう(>人<;)
とりあえずこちらはブログなので、ついうっかり見てしまった…ということはあんまりないんじゃないかな?という前提で、以下ネタバラシ遠慮してません。
ご注意ください!
そしてネタバラシはちょっと、と思われる方も、新銀英伝ほんっとによいですよ。
特にオープニングは全身鳥肌もの。
何度聞いても、何度見ても飽きません・・・!
ああ、また見たい・・・
***以下ネタバラシあり***
どうも、不吉なAの会戦(アムリッツァだな…)が劇場版になりそうとのことなので、アッテンボローの出番をたくさん見るためにはブルーレイという補給がいるらしいです。
補給せねば!
同盟側、アッテンボロー&ポプラン&コーネフあたりのキャラデザ未発表組は、オープニングとエンディングで登場。
先行上映では一瞬すぎて、あれ?これアッテンボローだよね?!という感じだったのですが、ファミリー劇場の先行配信をみたらきっりと鉄灰色&そばかすのアッテンボローでした!
先行上映ではそばかす見た派/見なかった派に分かれたほど、うっすらという感じです。うう、可愛い。
以下、Tweetより抜粋。
◇新銀英伝、多田監督の得意技という「キャラに寄る」演出で人物もおじ様含めものすごく魅力的なんだけど、あの艦隊戦の迫力…!側面砲のギミックが何も言わずに組み込まれていたという3Dの迫力!!セルルックとCGルックのいいとこ取りをしたという物凄い美しい宇宙と艦隊に大拍手ー!
◇そしてたぶんノイエ銀英伝第1話始めて見る方はびっくりすると思う。あれ?出て来ないぞ?って… でも最高に格好良くて思わせぶりな登場に惚れ直しますー!ああ、早く次のターン(第2話)がみたい!!
◇タイムライン見てるだけで補完されてニヤニヤ。新銀英伝本当に良かった…!激しいピアノをBGMに「セルルック」と「CGルック」のいいとこ取りしたという質感の艦隊戦。「ブリッジを出す」とかそんなギミックあったんだ!!と驚くシーンや乱れ飛ぶ光にただただ呆然…素晴らしかった!
◇ラインハルトのデザインを見た田中先生は「おう若い!」と驚かれたとのこと。多田監督はキルヒとふたり「20歳そこそこなので若い出立を意識した」とのこと。キルヒも絵描きさんを尊重して絵では伝えず「こんな感じ」と伝えたら、「直毛」が来てびっくりされたそう。「直毛、いいの?」とw
◇他でも流れてるからいいかな?第1話ラストのヤンのお尻が絶品だという話w一番の腕っこきの秋山さんという方が描かれていて、皺の入り方がとても良いよう…劇場では暗かったのもあってよく見えなかったけど、放映時にチェックせねばw「IGは軍服がうまい」「色気がある」というお話も。
◇「素敵なおじ様たち」(HondsomeOldGuys)も堪らなかった。多田監督はメツカッツ好きなので冒頭はメルカッツセレクトとのことw 「おじさんが格好良くて料理がうまそう」なのが良アニメの条件、という指摘には大きく納得。ムーア中将のグルテンカツレツも美味しそうだったw
◇面白かったのは音響の話。テレビでは音声レベル運用基準のようなものがあり、突然小さい音から大きい音にするのはNGだとか。だからテレビでは本当の音は聴けていない、聴くためにはBDで!というお話でした。今日は3.1チャンネル(0.1は低音域)という恵まれた音設定で視聴。
◇メカ関係はセルで塗った感じ「セルルック」とスターウォーズ的なCGルックのいいとこ取りとか。多田監督は人や物に寄りで撮るので見た目に質感を感じるものにしたかったとのこと。第2話「アスターテ会戦」は非常に燃える仕込みがあるとのこと?!楽しみ!
◇第1話のラストのヤンのカットは実はシナリオにはなく、監督が追加されたカットとのこと。下からなめるカメラワークで、その前のラインハルトとわかりやすく対になっている。初見ではそこまで読み取れなかった、残念!
◇PVにもある貴顕淑女がいる舞踏会大広間のガラス窓の向こうを宇宙船が征くシーン。「人間は何年たっても変わらない、グラスは割れる」という普遍さを1枚で表した素晴らしい絵、と安達さん。田中先生も「良いちぐはぐ感」と仰っていたとのこと。ここだけで200枚使っているということ。
◇山手線のポスター名言には、個人的には絶対、アッテンの「それがどうした!」が入ると思うー!これは29駅回らなきゃいけないのでは。 その途中で品川駅改札外の自由通路をジャックしてる石黒版ノイエ版もちゃんとチェックしなければね。
◇冒頭で郡司Pはご自身を「キャゼルヌ」と喩えられてましたが(キャゼルヌだからパワポも扱いなれているw)、最後に、本当に多くの様々な人々が長い時間をかけてこの作品を産みだされていることについて話されていました。本当に素晴らしい作品なので会場からは大拍手!改めて心からの感謝を
◇冒頭の「ご自身を銀英伝人物に喩えたら?」は、郡司Pはキャゼルヌの他ヤン、オベ、時々ビッテン。黒木Pはロボス元帥、安達さんは普段ユリアン、新銀英伝では後世の歴史家またはルビンスキー?、多田監督はシトレ元帥とのこと。成功すれば勇退、失敗すれば…との根拠に><ぜひ成功で…!
◇監督のお薦めはシュターデン。気圧されたり口をもごつかせたり、とにかく細かい演技がすごいとのこと。シュターデンの缶バッチがアニメイトで売られ、シュターデンの痛バッグ下げた子が渋谷を歩く日も近い?!
◇4/2-4/8には山手線29駅に42種類の銀英伝名言(かつサラリーマンの琴線に響くもの)のポスタ―が貼られるとか!キルヒアイスの「ばかばかしいこと」ライの「ああ、星はいい」そしてロイの「だまれ!下種!!」。「しただね」って読まれるんじゃというかという心配も笑。
2022/9/30『銀河英雄伝説Die Neue These 策謀』第一章 初日舞台挨拶行ってきました!(ネタバレあり)
2022/9/24「銀河英雄伝説 Die Neue These 策謀」舞台挨拶付き第一章完成披露上映会行ってきました!
9/24のノイエ舞台挨拶メモ。忘れないうちに。
ごく個人的なメモからTwitterでつぶやいたまとめです。
誤りあるかもしれません、すみません💦
オフィシャルレポートはこちら!
最初はごあいさつから。
まもさん:みんなに見て頂けるのが嬉しい
すわべさん:IT社長です(スーツに白Tシャツだった)
オーベルシュタインを意識してグレーにしました。
「ネタバレなしで」というMCさんに「はいっ」と元気よく返事するまもさん
☆激突の周囲の反響
監督:「激突にオチがない!」お客様も共感して頂けるかと。スタッフからもまさかと言われた。
まもさん:帝国は双璧がばーんと出て双璧好きの皆様キュンキュン
すわべさん:オベのヘイトがあがる…
まもさん:ラは絶対的な存在感を登場から見せてきた。キルヒのことがあってからずっと胸に抱えてる。不安定な姿が演じていても印象的。その中でこれから覇をなしていく、戸惑うところがある
すわべさん:その感じを横で誘う感じ
まもさん:ずっと誘われている
すわべさん:オベとして重要なのは犬との出会い、勝手に車乗ってるこのダルメシアン!
何考えているかわからない鉄面皮、でも犬に優しいからきっと根は優しい。
基本露払い的にダーティを処理していくスタイル、フェザーンにも暗躍していてらしさを発揮できた
☆要塞対決で意識した点
監督:話数最初は3話だった。いろいろな戦い方をみせよう、ノイエらしく人物の描写にカメラをいれていこう、で丸1話増えて今日を迎えている。ケンプだけではなくやり取り増量されていて見せ場が多いので楽しんでいただければ。
まもさん:銀英伝の醍醐味ですね!人間模様。
監督:オベが犬を拾ったというのは実は噂だけど、実際に拾うところを描写して、視聴者が「皆の知らないオベのあの部分を私は知っている」という見せ方に。
すわべさん:銀河の歴史が書き加えられている!
まもさん:そうしてしっかり描くことで深みが増しますね。
すわべさん:より深く濃く楽しめる
☆ラインハルトの魅力
まもさん:激突から続くなかで、ラインハルトがしっかり帝国をまとめあげた姿、帝国市民の姿がひとつの希望。
一方で同盟はトラブル乱発。
市民をないがしろにする政策はしないラインハルトのヒロイックさ、自分ならできるという確信。そこかなと。
☆オベの魅力
すわべさん:オベですか? オベは犬に優しいところです。
憎まれ役ですがロジカルな人物。
大業をなす最短距離を考えて、綺麗ごとだけではおさまらないと思っている。
自分にトップとしての器はないので、カリスマ性のあるリーダーを立てて自分は従う。
理想論過ぎてすすまないのを避け、ものごとを進めるために行動できる。
完全に共感とはいかなくても理解できる。
皆様ロマン派が多いので孤立しているけれど・・・
はしゃいでいる人を冷静に見ている気持ちはオベと一緒。
監督:物語としてはオベはいてほしいキャラ。
物語では民主自由を求め建国された同盟が自ら自分のポテンシャルをおとす。
オベのような冷たい(犬拾ったは皆知らないから)鉄のような実行力が視聴者としてはほしい。
すわべさん:ロジカルなところは評価している人多い。
でもロマン派はきらいな人が多いのでは・・・ラインハルトとキルヒアイスの友情が好きな人は「あいつなんてことしてくれんねん!」と思っているかも?
まもさん:ラインハルトはロマン派だけではいけないことをわかっててオベをおいている。
すわべさん:明るいところをひたすら行ってください、のキルヒに対して「それだけでは、だんな」と肩をたたくのがオベ。面接上手、自己PRの達人。
まもさん:ラインハルトは迷いが生まれる描写が多くて、策謀でもある。そういうところを引き出してもらってラインハルトが形作られていく。
すわべさん:オベからみると、ラインハルトは優秀な人物なのに迷いが常にある面白さがある。
超然としたカリスマのようで視聴者目線には弱さがある。
冷静でいて感情的。お姉さん大好きだし。
まもさん:お姉さんのこと言われるとすぐ怒るし。
すわべさん:ラインハルト、人間味ある人。見目うるわしいし、こういう人は華がある。
それをオベは影のようにはりついてよっていく。オベがいることで単なるヒーロー譚にはならず、リアルな味付けになっている。
☆ヒルダについて
まもさん:やーいいよね!かなちゃんですもん。
すわべさん:フロイライン!自分のポジションを見極めながら、ハルトとの向き合いかた、あるべき道を固めていってる。
監督:活発で、男性的ということではないが深窓の令嬢とは違い、ハルトやオベに物怖じしない知性があるように演出している
まもさん:ラインハルトにああいうちゃんと言ってくれる人は必要。安らぎという意味でもかなちゃんでよかった。
すわべさん:そこなんだね。パンの匂いを吸う人。ラインハルトもヤンもそばにいる女性がよくできた人。
まもさん:フレデリカもいいセリフ多いんですよね。
監督:そろそろポンコツなところもでてくる。
まもさん:いとおしくなります。
☆策謀のみどころ
まもさん:持ち越された決着がつくところ。
結果がどうなるかより、今回戦争を扱うことがすごく怖くなった。
喜ぶほうがいて、悲しむほうがいる。怖くなる。
でもそれをエンタメとして伝えていく側として、本気で伝えて、怖いと感じられるものになっていると思う。
すわべさん:現実が期せずして不安定。
銀英伝でも門閥貴族の動きや同盟政治家の動き、ゾクゾク来るものがある。
まもさん:幼帝誘拐のキーワード、そこの描き方、ヨーゼフの描き方にノイエ的なこだわりがある。政治とは、生きていくとは、考えるきっかけになる。
監督:策謀のティザー、一番大きく描かれているのはあの人。視点が帝国同盟の軍隊のぶつかり合いだけじゃない、一番面白いところが出てくる。もう一局に時間を割き描写しているのが見どころ
すわべさん:メインキャラが出張ってるけど、この世界を動かしているのは…一般の民衆がいてこその感覚も
まもさん:政治、経済、軍事だけじゃない人の戦い
すわべさん:でも艦隊戦もほんと美しい!
監督:艦隊戦、相変わらず無茶してます笑。楽しんでください。
2022/6/2「銀河英雄伝説 Die Neue These 激突」第3章 スタッフトーク「原作」田中先生回!いってきました(ネタバレあり)
2022/6/2「銀河英雄伝説 Die Neue These 激突」第3章スタッフトーク、「原作」で田中先生が登壇されました!
当日Twitterでつぶやいた内容のまとめ、ネタバレありです笑。
たなか先生のお話メモ。銀英伝を書かれるきっかけとか、あちこちで読んだり聞いたりしてて多分皆知ってるテッパンネタなのに、それをこんなに面白く話せる先生すごい。
以下はあくまで個人的な備忘録メモです。私の聞き違い書き間違いあったら申し訳ありません。
今日の司会はたさかさん。さすがのたさかさんも第3章ではうまい注意事項が思い浮かばなかったということで、策謀でがんばる宣言をされてました。大ファンなので楽しみ😊
たなか先生登壇!ご挨拶はきちんとマクス外されて。
「暑いか寒いかよくわからない、雨がふるんだかふらないんだかわからない日に来て下さってありがとうございます」というご挨拶から先生の小説を読んでいるような気分。
「人前で話すのが苦手だから机の前で書いてればいい商売を選んだはずなのに、今はそんな時代じゃない、なにかしゃべれといわれてどうなっても責任もたんぞと参上しました」とのこと。
事務所には恨み、皆様には感謝。できるかぎり真面目に誠実につとめます、というお言葉が本当に真面目で誠実でしみます。
〇銀英伝を書いたきっかけ
SFという言葉がなく科学冒険小説といっていた時代、小松左京先生、星新一先生、光瀬龍先生の作品を読んでいた。こんなものを書く人がいるんだと。特に光瀬龍先生。これが源流。
大学の時懸賞金欲しさに懸賞小説に応募して入賞、賞金1万円のはずが予算がなくて現金書留のなかには8000円、世の中甘くないを知った。
大学院は論文を書く間は暇、雑誌の新人賞に応募。大学の雑誌に入賞できる力はあっても普通はどの程度読んでもらえるか?論文審査が始まるまでの2ヶ月で書き上げた。
送ったら、下宿でお葬式の時に廊下の電話がなり、幻影城から入賞したからねと連絡が。お坊さんが木魚を叩いてるのでやったー!という訳にもいかず、はあそうですか、と言ったら嬉しくないの?デビューできるんだよ、と。いま取り込んでますのであとで…と答える。1年半ほど短編を書いた。
長いもの書いたら出してやる、と言われ、宇宙物を書いていたら、同じ雑誌でデビューした先輩から、幻影城つぶれたよ、と電話が。えっではなくやっぱりと思った。
論文書いてたので構う間もなく翌年には大学院に入り、また書きたい欲が出てきたので、またどこかの雑誌に応募しなくてはと思っていたらとくまさんから電話。
あいつは使えそうだからと半年くらい探していたとのこと。
1冊長編書いたがさっぱり売れない。
全然別の物を書いてみて、ということで幻影城の原稿見せたら本編よりも前日譚、ラインハルトやヤンが出てくるほうが面白そうだからやろうと。
タイトル最初は「銀河三国志」というのであんまりだからちょっと待ってくれと。
二三日のつもりだったが1時間というので10くらい考えて提出。なるべく地味なのを選んで欲しいなと思ってたら、一番選んで欲しくないのを選ばれた。それが銀河英雄伝説。高い志はなくその場その場でやりたいものをやりたいように編集者をごまかしながら書いていた。
銀河英雄伝説書いたら多くの人が読んでくれて、続きにしようと言われたから、あれ一応終わってるとは言ったが続きを書くことに。とりあえず3巻というお話で、キルヒアイスを2巻で…。そしたら10巻になった。それ最初から言ってくれてたら2巻じゃなくてもう1、2巻…と。
最近若い人に(キルヒの早い退場を)言われると「鬼〇の刃でもれんごくさん早死したじゃない」と言う。
作品を書く時は1冊足りとも手を抜いた覚えはない。その場その場で全力尽くして書いた。40年もたって2度目のアニメ化がされて原作者のらくだらない話にまでつきあって頂いてありがとうございます。
〇3巻は全10巻でどういう立ち位置?
自分ではなかなかわからないが、あと1巻だったのが8巻になり、書く材料はたくさんあったが綺麗に着地できるように構成練り直してリスタートした巻。
〇〇は殺さないでという嘆願が来始めるが「すいませんね」と…。
ユリアンはお茶くみ坊やからそろそろ成長。
帝国はキルヒアイスの穴を誰が埋めていくか。要塞攻略も艦隊戦も書いたが、要塞対要塞は書いてない、貧乏性なのでガイエスブルク残ってるからもったいないとやることに。
ケンプとミュラー、プロ野球でもベテランとルーキーを組ませるので組み合わせは自然に決まった。
(ここで少しノイズ…「ケンプとミュラー。これが最終試合になるのと生き残って二軍から一軍、オールスターになるのと」スタッフさんで、大丈夫?大丈夫気づいてない、のやりとりが😂)
同盟側は、ヤンがいなくなったらこの連中はどうやってこの危機を乗り切るかが焦点。若手ばかりと事務屋さんでボスがもどってくるまで持ちこたえなければ。
亡命してきてくれたたのもしいおじさんがいる。
帝国から亡命してきた人が帝国と戦う流れ。
自分で考えてる通りには行かない、勝手に動き回るキャラといる、家庭ではケンプが良きお父さんであるのを書いたのはヤンを正義の味方にしたくないから、反対側から見たらこうだったと書きたかった
(ここも少しノイズが。「ケンプ家ではケンプは「悪いやつに殺された」となる」、でもこのヤンのくだりすごく良かった)
〇メルカッツから恵まれない状況から活躍する流れについて
流れより流されていく、まだまだアッテンボローも青いし、コーチ兼選手のような人が必要。メルカッツ、ここで完全に帝国と訣別できたと感じて頂ければありがたい。
〇メルカッツやシェーンコップ、亡命者が同盟の危機を救ったことについて
特にこれでもってどうってことはなかった。
残ってるメンツから考えて、メルカッツはこう、シェーンコップはこう、私の思う通りには行かない、彼らが自分で自分の役割を心得てて、役割を果たしていった。そんなプロを書いてみたかった。
〇査問会のイメージは?
大学院の論文の口頭試問。これが直接の体験。(ここで拍手)
間接的には、当時ソ連にスターリンがいて、トハチェフスキー、ソ連のナポレオンと言われる若い元帥を無実で捕まえて拷問、銃殺したこと。民主国家の場合はシビリアンコントロールだから文官が軍人を取り調べる。
弱みを握って大人しくさせる、そういうことは実際にあったし、これからもあるだろうとああいうふうにかいた。
〇キルヒアイスがいたらイゼルローンを攻略していた?について
キルヒアイスがもし生きていたら、というのはあった。戦術的にはいろいろあったが、キルヒアイスが破れたとしたら、ヤンはラインハルトにとってキルヒアイスの敵、相いれなくなっただろう。でもキルヒアイスだからこそ、負けと見込んで引き下がったかもしれない、悩む。
〇フェザーンのイメージについて
帝国同盟1体1だと敵味方が綺麗にわかれグレーゾーンが狭くなる。第三勢力が出て軍事力はないがこっちにあっちに味方して最終的には漁夫の利を得ようとする、そういうのがあるといいと。
どうしても戦闘シーンに引張され、諜報戦や経済戦争に手が届かなかった。1冊のページは限られているから、どっちを優先するかというとチャンバラになる。書き直す機会があったとしても、フェザーンはこのくらいに押さえておいたほうが皆様にも納得いただけるのでは。
〇フェザーンのキャラの厚み、ルパートについて
あれはぼく自身も考えてた。第三勢力としての魅力を与えるには、禿頭の親父ひとりじゃ訴求が弱い。美形っぽいのを入れるか、ルビンスキーは動かない、動くキャラがいる、ある程度カッコよく書こうかなと。
(ここでも「ルパートは禿頭が親父だった」とノイズ😂)
〇たなか先生のあらゆる作品の中で銀英伝とは
親孝行な子。よく仕送りしてくれる。
作家は学校の先生と同じところがあって、卒業生が活躍してくると嬉しい。今は目の前にいる遅刻したりカンニングしたりする子をなんとか卒業させないとと思っている。
活躍してる卒業生は遠くから眺めてるほうが邪魔にもならない。
〇策謀に期待するところ
期待でいっぱい。原作者なのにこの後どうなるんだろうと常にある。こちらの想定外をやってもらう方が嬉しい。銀英伝という私の作ったフィールドのなかで、アニメ関係者の方に思い切りプレイして欲しい。
見ていてこういうふうに解釈してくれたのか、というシーンも、これ忘れてた、というシーンもある。現役選手のプレイを待ちわびている。はよ次を出さんか、という感じ。感謝の気持ちでいっぱい。またそれを見て、銀英伝のあたらしい一面を見つけたと言ってくれるお客様にも感謝。
(ここでいきなり)
不満、違和感があるとしたら、ヤンはあんないい男じゃない!女性ファンがつかないと思ったから美人の副官出したのに。余計なことしたかなと。
***
個人的にはたなか先生の声で「アッテンボロー」が聞けたのがとてもとても嬉しかった😆流れ的に、メルカッツがコーチ兼選手の立ち位置っていうのも熱かった。
シェーンコップがいかにも先生の思う通りに動かず好き勝手に動いてそうな感じがしたのも良かったな笑。
最後、「楽しんでください」とふかぶかと長くお辞儀をされる先生にこちらもつい頭がさがる。楽しいお話本当にありがとうございました!